福岡操体法スタジオ (yahoo!ブログから移転)

九州は福岡に操体法スタジオを開設しました。さまざまなアレルギー発作や肝臓病を生活改善で、回復不能といわれたムチウチを操体法で対応した自身の体験も紹介。施術や講習会のお問合せは080-1720-1097 メールfukuokasoutaihou★yahoo.co.jp(★→@)へお寄せください。

2013年04月

☆体の陰陽・心の陰陽
三匹の子犬の頭をそれぞれ叩くと、すぐに歯向かうもの、たちまちしょげかえるもの、カン違いで喜ぶものなどさまざまだ。これを陰陽で説明すると、しょげたのが陰性にかたよっている。
陰陽は、体質ばかりでなく、気分や性格を決定する。
桜沢如一氏がそれを指摘し、食べ物による体質改善・人間改造を提唱した。

これを筋肉に置きかえて考える。陰性にかたよった体には陰性の筋肉。陽性の体には陽性の筋肉である。いずれにあっても、縮こまって固まった筋肉をゆるめていくと血流が戻り、筋肉が復活する。筋肉の陰陽バランスが整い、体の陰陽バランスのかたよりが修正される。
すると、どうなるか。
筋肉の改善により、歯向かって来る子犬、しょげかえる子犬、勘違いの子犬は、それぞれ体質・性格を変え、以前とはまるで違う行動をするようになる。

☆☆操体法で陰陽をダイレクトにととのえる
食べ物で体を変えるというのは、消化活動を通じて筋肉の質を変え、身体のみならず精神面にも改善をもたらすということだろう。操体法の場合は、消化活動抜きに、ダイレクトに筋肉に働きかける手法だ。やり方は違うけれど、同じことを目指している。

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※公開講習5月の予定!
  土曜4日・11日・18日・25日と、22日水曜が決定しています。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

   お問い合わせ電話080(1720)1097(山下)
      またはメールfukuokasoutaihou☆yahoo.co.jp(☆⇒@に)

☆脱力する⇒筋肉ゆるむ⇒血流回復の公式
じわじわじわりと伸ばしてためて、ストンと脱力する。「抜ける感覚」が、全身にひろがってゆく。じわじわじわりと縮めてためて、ストンと脱力する。「抜ける感覚」に全てをゆだねる至福のひととき。

操法をやるうちに、あたたかくなる。ぽかぽかしてくる。血流の戻る感覚である。力が抜け、コリがゆるんだということである。
筋肉の質がよければ、ストンと脱力の瞬間に、骨格の位置が正常に戻る。血流の戻りは筋肉をよみがえらせる。続けていけば筋肉の質の向上が得られるのは明らかだ。

☆☆コリの再発を、どうするか
コリがゆるんでも、もとのところに顔を出すことがある。
コリをつくる条件、体の歪みが残っているうちは、同じところにコリができる。局所にできるコリだけを相手にしていては、らちがあかない。

「体の歪みが万病のもと」というが、体の歪みとは骨格の位置関係の狂いである。体の中に、よくない骨格の位置関係が生じているから、かたちが歪んで見えるのである。
骨格に狂いのあるまま生活をしていると、体の中では何が起こるのだろう?

☆☆☆筋肉バランスの狂い⇒骨格の狂いの公式
よくない骨格の位置関係は、動きに影響する。
動きとは、力の伝わりである。筋肉を通じていくつもの関節に同時に、または連鎖的に、力が伝わってゆくのが「動き」である。
狂いのある骨格は、いびつな片寄りを持つ動きをする。よくない力の伝わりをする動きなのである。伝わるべきところに、きちんとした量の力が送り届けられることがない。どこかには過剰に力が届くが、どこかには力が届かない。力の届かないところは、日の当らなくなった日陰の土地である。
日が当りすぎるところにもコリ。日が当らないところにも、コリ。

狂いのある骨格は、体の各所に力の伝わりの過不足を発生させ、コリを多く発生させる。
「体の歪みが万病のもと」「体の歪みが諸悪の根源」という言葉の表面を素通りせず、今一度、よくその意味を考えたうえで、万全のコリ対策としたい。

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。 

  ※公開講習5月の予定!
  土曜4日・11日・18日・25日と、22日水曜が決定しています。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

   お問い合わせ電話080(1720)1097(山下)
      またはメールfukuokasoutaihou☆yahoo.co.jp(☆⇒@に)

筋肉の質と、健康の関係
筋肉は弾性があり、ゴムのように元に戻る力を持つ。弾力を失わない筋肉の手触りは健全である。ふわっとしてあたたかく、少々のコリなど軽く押すと解消し、容易に疲労回復される。
元気のある・なしが、筋肉の手触りでどのていど判定できるか。人それぞれ、年齢や性別により、日により、もしくは各部により、どう異なるか、確かめるべきである。ふわりとした感じ、ぺしょんとした感じ、ごちりとした感じなどのバリエーションくらいは、すぐに読みとれるようになる。

日々生きていれば、弾力のある筋肉も、すっかりコリから解放されるというわけにはいかない。
日常のふつうの動きでは、コリはコリのカタマリのまま動いてしまうか、コリの部分は動かず、他のところが「オレが行ってやるよ」とカバーしてしまう。体操やストレッチ、ウォーキングやスポーツなどの動き、もしくはぎゅうぎゅうと押したり揉んだり叩いたりというのは、もともとコリの対策ではない。だから、まったくあてにならない。
そういうことは「論より証拠」で、じっさいに触れてみればわかる。各自で真偽を確かめるべきである。

コリをゆるめる操体法の動き
コリの内部は動きもにぶく、よどんでいる。血行が落ち、老廃物もたまる。年月の経過にしたがって、また、個別の条件に従って、大きさ・硬さともに進行し、数を増すことなどが考えられる。
コリをゆるめるには、コリの内部に力が伝わるよう、動きをコントロールする必要がある。それがまさに操体法独自の動きである。
操体法は自力の動きで、コリの内部に力を伝え、縮んで動かなくなった筋肉の伸縮をコントロールする技術である。

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。 

  ※4月の公開講習は、あと27日があります。
  5月は土曜4日・11日・18日・25日が決定しています。水曜は22日決定しています。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

   お問い合わせ電話080(1720)1097(山下)
      またはメールfukuokasoutaihou☆yahoo.co.jp(☆⇒@に)

☆力を入れる⇒筋肉がちぢむ⇒固くなるの公式
がちがちと、ゆるゆる。そこには力のある・なしが関わっている。
「筋肉がゆるむというのは、力が抜けるということだ」
おもむろに師匠が言ったときのことを、よく覚えている。「抜けさえしたら、ゆるむんだ」

体が固いというのは力が入っていること。その力の入っている場所は、筋肉である。
握りこぶしをつくると、力の入ったところは筋肉が収縮し、縮むと筋肉は固いのである。だから固い体とは握りこぶしのようなものである。
今ならそう考えるが、あの頃の自分では、さっぱりわけがわかってなかった。

☆☆力を抜けばいいだけである
凝っているところは縮んでいる。硬結(こうけつ)もしくは単に、コリとかいわれるけれど、ぎゅっと縮こまって石みたいになっている。寝ても覚めても収縮しっぱなしだが、本人が意識して力をこめているわけではないので、その存在は気づかれることはない。
本人が力を入れているつもりもないので、抜けといわれたって抜けない。力を抜くことのむずかしさは、まさにそこにある。

「コリがあらゆる病のもと」。そう橋本敬三医師は指摘した。動きの制限、機能の制限は、コリの存在にある、と。
日常のふつうの動きでは、コリはまず解消されないだろう。体操もストレッチも、ヨガもまた、コリをとるとは一言も言ってない。操体法の動きは考えれば考えるほど、理にかなっている。

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※4月の公開講習は、あと27日があります。
  5月は土曜4日・11日・18日・25日が決定しています。水曜は22日決定しています。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

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☆骨格系と内臓系と神経系。バラバラにするか、統一するか
骨格は外科や整形外科が専門、内臓は内科が専門、こころは精神科もしくは心療内科が専門。そんなことは私だって心得ている。病院の文化に生まれ落ち、病院文化に慣れ親しんできた。私は病院医学という文化体系に住む、大勢のうちの一人だ。

骨格と筋肉と内臓と。神経と血管と、その周辺環境としての筋肉と。
それら全てを包括的にやっていきましょうというのが、橋本敬三医師の提案した、操体法の医学。まるで外科と内科と精神科とで対処すべき問題を、一本化した見方・一本化したやり方で、やってみようと言っているようなものだ。

☆☆バラバラを寄せ集めたら、生きた人間になるか
神経は、神経でしょう。血管は、血管で筋肉は、筋肉。骨は、骨。体は体で、心は心。
バラバラで見るのがベースにあるから、総合病院で迷子になる。どの科にいくのか困ると、「あなたはあっち」「あなたはこっち」とたのもしい交通整理の方に相談する。「あなたは、あっちとこっちとそっち」。ムチウチだと5つや6つはザラで、一日に何人ものせんせいに会って似たり寄ったりの話を繰り返す。こっちでは楽しく、あっちでは深刻になったりして、自分自身が何人いるのか、わからない気分になる。
ばらばらの検査にばらばらの治療、ばらばらの解釈とばらばらの薬が出てくる。病院で支払いを済ませ、玄関を一歩踏み出すと、わかれていたばらばらの自分が、しゅっと一つに集まってくる。ほっと一息ついて元の自分になったら、町に向かって歩き出す。

そんなふうなので、「骨格バランスを見れば内臓疾患もわかるよ」だとか、「筋肉は性格をあらわすよ」だとか、そんなことを言われたら困る。拒絶がわき起こる。
骨格と内臓は、べつだから。筋肉と性格=心の回路は、関係ないから。少しは関係あるだろうけど、それがどうした? ただ、ほんの少しのことなんだから。
「骨格バランスが、健康体か病体かを決定する」。そこまでは、ついていけない。まともに相手にできない感じがする。

☆☆☆骨格の動きも、内臓の機能も、脳の機能もすべては神経の働き
ものごとを考えるのは脳の神経回路だし、手足を動かすのも神経。内臓をつかさどるのも、神経。そこに私は反論できない。
そして神経の周辺環境は、ほとんどの場合、筋肉である。体を動かす骨格筋だけでなく、血管も内臓も平滑筋でできている。それも事実。

神経のはたらきは、筋肉の状態に左右されはしないだろうか? 神経線維は、筋肉内部に網目のように張り巡らされている。筋肉に柔軟性があるときと、筋肉が固すぎるときとでは、神経周辺の圧迫には差が出はしないだろうか。
圧迫のひどい状態と、そうでない状態とでは、神経の伝達にどのような違いが見られるのだろうか?
神経ばかりではない。血管もまた、筋肉内部に網目のように張り巡らされている。筋肉の柔軟度と、血流との間には、何らかの関連が、どのていどの関わりが、考えられるだろうか?

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※4月の公開講習は、あと27日があります。
  5月は土曜4日・11日・18日・25日が決定しています。水曜日についてはおたずねください。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

  お問い合わせ電話080(1720)1097(山下)
     またはメールfukuokasoutaihou☆yahoo.co.jp(☆⇒@に)

「お金に罪はない」とか「お金に名前は書いてない」とか、いう。お金はお金。どんな金もありがたいのである。

いのちに肩書きはなく、職業も学歴もない。年齢も性別もなく、虫でも植物でも何でもない。どんないのちにも罪はなく、いのちには名前も書かれていない。いのちはいのちで、ありがたいのである。

「治す人」「治される人」の区別もない、操体法の「いのちのバリアフリー」が、私は大いに気に入っている。
「アイツめ、許せん!」と思う憎らしい相手でも、「この人好きだ!」という相手でも、ごろんと横になり、こちらに足をあずけてきたら、みんな同じいのち。
一つ一つ区別するのもいっそ面倒だ、という感じに開き直るようになってから、自分の中で施術がうまくいくようになった。いつ、どんな人が来ても、べつにかまわない。「いのちっていうだけのことだから」と思えば、自分が何をすべきかが、目の前に広がる思いがする。

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②と③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。
 
  ※4月の公開講習は、あと24日と27日があります。
  5月は土曜4日・11日・18日・25日が決定しています。水曜日についてはおたずねください。
   いずれも時間は14時以降、飛び入りで自由に入れます。西鉄高宮駅3分。

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福岡正信氏によって自然農法が始められてからすでに七十六年もの月日が流れている。以来、各地で自然農法の試みは個人の取り組みで続けられてきた。「薬に頼らないと作物はできないのか?」という素朴な問いが、人々に共有されている。

「奇跡のりんご」を支えた人々の中に、銀行の支店長さんがいる。木村氏が借りたお金を返しに行っても受け取らず、自分のポケットマネーでそっと立て替えた人である。大学時代にリンゴ栽培の研究に関わっていたことが、亡くなった後になってわかった。「無農薬でりんごは元気に生きられないのだろうか」という問いは、津軽の地で多くの人に共有されていると思われる。

「生き物が、薬に頼らないと元気に生きられないなんて」という違和感は、誰もが多少なりとも感じている。感じてはいるが、無農薬の食べ物を食べたいと思う一方で、薬を平気で飲んでいる。植物たちには「薬に頼らず元気に生きろ」と言い、自身は薬に頼る。どこかおかしい話ではないだろうか?
人は「安全な食べ物を」と言う。無農薬が安全というのは「化学薬剤が混入していない」と思うからである。その一方で、「医療用の化学薬剤は安全だ」と思っている。

私たちもまた、「肥料農薬除草剤」なしに生きていけない果樹たちと同じように、「検査・薬・ワクチン・手術」の助けがないと生きていけない生きものなのだろうか。もしも「検査・薬・ワクチン・手術」なしに元気に生きられるようになったら、それは「奇跡」としてあつかわれるのだろうか。
不老長寿。アンチエイジング。いくつになっても健康というのは人類の夢。それは「検査・薬・ワクチン・手術」によって成功をおさめつつあると言われる。このまま病院の医学を延長した先に、人類の夢の達成が見えるだろうか。

りんごの木はがんばった。では人間のほうは、どうだろう?
「生きもの本来の生き方」が、問われている。(この項おわり)

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※今月の公開講習は、水曜日が4月17日と24日、土曜日が20日と27日です。
   いずれも飛び入りで大丈夫です。時間は14時以降、自由に入れます。

  お問い合わせ電話080(1720)1097(山下) 
                 またはメールfukuokasoutaihou☆yahoo.co.jp(☆⇒@に)

「奇跡のりんご」には二つのドラマがある。
一つは生産者である木村秋則氏とご家族の人間ドラマ。もう一つはりんごの木のいのちのドラマ。

りんごの木は「肥料農薬除草剤」とセットで存在するはずの植物だった。明治期に全国で栽培されたりんごの木たちが壊滅してゆく中、津軽地方だけがボルドー液の発明によって、何とかりんごを存続させた。その経緯は『奇跡のりんご』に詳しい。
「肥料農薬除草剤」抜きで元気に生き続けるりんごの木たちは、生物学的もしくは生命的な見方をすれば、まさに不思議であり奇跡である。
ここは人間ドラマとりんごのいのちのドラマとを、分けて考える必要があると私は思う。

木村氏の織りなした人間ドラマの背景には、三つの苦労のタネがある。一番の苦労は、「りんごが実をつけない」の一言につきる。そして二番目には貧困。りんごの収入が途絶えて生活に逼迫し、りんごづくりの継続さえ危ぶまれたことである。
しかしながら、木村氏とその家族を最も悩ませ、傷つけたものは、そんなことではなかったろうと私は想像する。『奇跡のりんご』をきちんと読まれた方なら、すぐにわかるはずだ。本の中で一番不愉快になるところ。一番悲しくなるところ。それは「りんごが実をつけない」ことでもないし、「貧乏した」ということでもない。

「自然農法をやりたい」と言って畑を借りようとすると、貸し手はまず見つからない。家庭菜園で自然農法をやろうとしても、周囲が勝手に薬をまいていく。そんな話はよくあることだ。
作物よりむしろ雑草を育て、害虫を育てる農法として、目のカタキにされる。それが現状。
無農薬にしろ自然農法にしろ、それを決して許さない世間というのがある。木村氏を本当に追い詰めたもの。それは「無農薬栽培」に手を出す人間が免れることのない世間のバッシングではなかったか。

無農薬栽培・自然栽培は、消費者の目から見ればいいことづくめ。食糧生産を自然のエコロジーサイクルに組み込んでいくことで、生産は、よりシンプルに、より安全になり、地球環境にダメージを与えないものとなってゆく。食糧生産が限りなく自然採取に近いものとなる。そんな技術の開発が、無農薬栽培・自然栽培だろう。
土と、人間と、植物。将来的には「人間」の介在さえ、なくしてゆくことを目指す。努力や苦労をどんどん減らす、引き算の農法。肥料農薬除草剤などの生産も不要になり、環境への負担と生産コストを削減する、夢のような事業。食糧自給の問題をかかえる日本では、とっくの昔に国家レベルのプロジェクトとして大々的に取り組まれておかしくなかった。

しかし現状は国家プロジェクトどころか、最も「叩かれる」栽培法。目に見える、もしくは目に見えないかたちでの執拗なバッシングがなかったら、どれだけ純粋な気持ちで研究に打ち込めたかしれない。それは赤信号を渡っている大勢の人間をかきわけて、途中から一人で引き返そうとする人間が共通に味わう苦労だともいわれる。しかしそうとばかりもいえない面もあると私は考える。
6月に公開予定の映画「奇跡のりんご」では、人間の苦労が語られこそすれ、りんごの木の奇跡が語られることはないかもしれない。「壮絶な苦労」と自殺未遂。それらの強いインパクトは結果的に、「ほうら見ろ。無農薬栽培に手を出すようなバカな人間は、こういうひどい目にあうんだ」という警告になりかねない。(つづく)

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※今月の公開講習は、水曜日が4月17日と24日、土曜日が20日と27日です。
   いずれも飛び入りで大丈夫です。時間は14時以降、自由に入れます。

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NHKテレビで「奇跡のりんご」は大ブレイクし、多くの人々が「奇跡のりんご」を食べたがった。それほどまでに人々は農薬や除草剤の毒性におびえていたのだろうか?

一個のりんごにあれだけの注目が集まったのは、「奇跡のりんご」に「無農薬の安全なりんご」という以上の期待が寄せられているということだ。
言ってしまえば、りんごはりんご。「おいしいね」といえばそれで済むことかもしれない。それだけでは済まないところに、私たち人間の側の事情というのがある。

じつは「奇跡のりんご」と取りざたされるずっと以前に、我が家では木村さんのりんごが大いに食べられていたらしい。最近になって母が、「もう手に入らないと思うけど、あんたたち子供のころ、あそこのリンゴずいぶん食べたんやがね」と言うので驚いた。りんご箱の記憶こそあるが、りんごそのものについては何の記憶もない。
「お母さんは当時、そのりんご、どう思ったの?」訊ねると、「とくに何ということのないりんごやったがね。りんごはりんごやがね」と笑っていた。母はりんごにりんごしか見なかったのだ。だから人々の感動はそれ以外のところに、ある。

スーパーに並ぶりんごと、「奇跡のりんご」は、農薬の使用以外にどこがどう違うというのだろう?
「今の農産物は見かけだけ。ほんとうの味を知らないから、あれで当たり前と思われているんだろうけど、まずいというより、もう味というのがしない」
そういう声はよく聞かれる。
自然栽培に期待されるのは、「いのち本来の味わい」の一言につきる。
多くの人々が、「自分たちの食べているものは本来ではない」ということを感じ取っている。栄養剤や薬に頼る植物たちの姿は、どことなく「まがいもの」めいて見えるということもあるだろう。栄養剤や薬に頼らないりんごの木の生き方に、人々は共感する。「いのち本来の生き方」を、そこに見る。

「あの奇跡のりんごを一口でも味わってみたい」という強いあこがれ。それは、本来の味を食べつけていないことへの欲求不満のあらわれかもしれない。さらにいうなら「いのち本来の生き方」そのものへのあこがれといえるのかもしれない。(この項さらにつづく)

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③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※今月の公開講習は、水曜日が4月17日と24日、土曜日が20日と27日です。
   いずれも飛び入りで大丈夫です。時間は14時以降、自由に入れます。

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スーパーに並ぶ果実はどれもきれい。果物の木が元気という証拠だ。毎年おいしくて、きれいな実をたくさんつけるということは、木に体力があることのあかし。その体力を支えてきたのが「肥料農薬除草剤」である。

「肥料農薬除草剤」の助けがなかったら、果物の木たちはどうなるか?
肥料がなくて、栄養不足になる。
農薬がなくて、病気になる。昆虫たちにやられる。
除草剤がなくて、草にやられる。
栄養剤も薬もなくてはまっとうに生きていけない。実際はそんなかわいそうな木々たちなのである。
そこから無理やり「肥料農薬除草剤」を奪い取った木村氏は、息も絶え絶えになったりんごの木たちに謝り続けることになる。もう無理だ。肥料まいてやろう。農薬まいてやろう。何度そう思ったかしれないのである。

今の野菜も穀物も、基本的には「肥料農薬除草剤」があることを条件に生きていく植物であり、生きものである。私自身はただ、「安全な食べ物」がほしかっただけなのだが、それは、栄養剤と薬に頼って生きてきた植物たちに、薬なしで元気に生きてみろと要求を押しつけることだった。

「奇跡のりんご」の主人公である木村秋則氏がよく口にする言葉は「りんごの木が、がんばってくれた」。
無農薬栽培は生産者に無理を押しつけることになるが、それ以前に植物たちに無理を押しつけることになる。そこにさらに、おいしくて、きれいで、と無理難題を押しつける。その無理難題をクリアーしてみせた木村氏のりんごの木は、まさに奇跡ではなかったか。(さらにつづく)

※操体法の実習を見学・参加する⇒①②③から選べます。
①みんなで講習会(参加費2000円/人)
②家族や友人とゆったりプライベート実習(2500円/人。三名~2000円/人)
③一人でゆっくり個別実習(一回3000円/人)

 ②③は日程・時間帯を希望にあわせます。西鉄高宮駅徒歩3分。

  ※今月の公開講習は、水曜日が4月17日と24日、土曜日が20日と27日です。
   いずれも飛び入りで大丈夫です。時間は14時以降、自由に入れます。

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